Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けつえきがたさつじんじけん

血液型殺人事件

甲賀 三郎

Lisez 血液型殺人事件 (けつえきがたさつじんじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 35 256 caractères · 71 écrans

Aozora Bunko

然し、もし私が次の出来事に遭遇しなかったなら、私も結局はやはり世間一般の人と同様、毛沼博士の事は忘れるともなく忘れて終ったろう。然し、運命はそれを許さなかった。私は一層苦しまなければならないようになったのだ。

毛沼博士の死後半月ばかりだったと思う。私はいつもの通り笠神博士の宅を訪ねた。

前にも述べた通り、私達二人の親密の度は一回毎に加速度を以て増して行った。それはむしろ先生の方から積極的に近づいて来られるのだった。無論私も親しくすればするほど、先生の慈愛深い点や、正直一方の所や、いろいろの美点を認めて、敬愛の念を深めて行ったけれども、終いには先生が教えるというよりは、恰で親身のようになって、而も私がもし離れでもしたら大変だというようにして、自ら屈してまで機嫌をとられるのが、はっきり分るほどになった。それが毛沼博士の死以来益々激しくなって、それは恰で恋人に対するような態度だった。私は内心うす気味悪くさえ感じたのだった。

さて、その日はいつもの通り、いろいろ話合った末、晩餐の御馳走にまでなったが――この時は夫人も一緒だった。之も一つの不思議で、世間に噂を立てられたほど、夫人によそよそしかった先生が、この頃では次第に態度を変えられて、夫人にも大へん優しく親切にされるようになっていた。