Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゅうぶん
醜聞
山本 周五郎
Lisez 醜聞 (しゅうぶん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 900 caractères · 46 écrans
功兵衛は相手の言葉をよく考えてみたのち、ゆっくりと首を左右に振った。
「おれに近よるな」と彼は云った、「おまえはもう死んだ人間なんだ」
「あたしは酒がきれて苦しいんです、五十文か百文あればいいんです」と乞食は云った、「あたしはいま酒を飲むためなら、どんなことでもするつもりです、ようござんすか、どんなことでもですよ」
そこは保利橋のちょっと手前で、右側には炭薪商、籠屋、桶屋などが軒を列ね、左側には八百屋、魚屋、繩蓆屋、石屋などが認められた。新町の地はずれであり、それらはみな小さな店だったから、濃いたそがれの色に包まれたその眺めは、救いようもなく落魄した人間たちの、嘆きと溜息の声を聞くように感じられた。功兵衛は銭袋から幾らかの銭を取り出し、乞食の手に渡してやると、なにも云わずにその場を去った。
「有難うございました」とうしろで乞食の云うのが聞えた、「またいつかお願い申しますよ」
功兵衛は戸惑い、うろたえていた。これまでけんめいに築きあげてきて、もはや不動であり安全だと信じていた地位が、突然ぐらぐらと揺れだしたのだ。いや、そんなことはない、おれには世間から非難されるような、ごまかしや不正や、うしろぐらい事はなに一つない。