Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きんろう

金狼

久生 十蘭

Lisez 金狼 (きんろう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 438 caractères · 179 écrans

Aozora Bunko

「いや、そんなことをしないで、もういらっしゃい。疲れてないわけはないんだから。……でももしよかったら、今晩……、(すこし調子づいて)じつはね、さっき向うで相談したんですが、今晩、〈絲満南風太郎の参考人の会〉をやろうってことになったんです。……新聞記者の西貝君、乾老人、古田君、それから、僕……。あなたは疲れてるでしょうから、お誘いはしないけど……」

このまま、ここへ倒れてしまうのではないのか。……葵は気が遠くなりかけている。しかし、今晩久我に逢えるなら……。葵は、しずかに、いった。

「こんなの……三十分も眠ったら……なおるでしょう……。今晩……どこで?」

「七時。新宿の〈モン・ナムウル〉」

葵が立ちあがる。

「お伺いします。じゃ、さよなら」

「じゃ、七時に」

廊下のはしで、いちどふりかえると、夢の醒めきらないひとのような足どりで、そろそろと右のほうへ曲っていってしまった。

久我は、そのほうへ手を振った。時計を出して眺め、それから、落ち着かなそうに、コツコツと廊下を歩きはじめた。

間もなく、下の扉があいて、乾が出てきた。紗の羽織の裾をくるりとまくって、久我のまえに立ちはだかると、