Classiques japonais avec furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lisez 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 160 770 caractères · 322 écrans
おまわりさんが、怪物めがけて発砲したのです。
そのとき、怪物はもう、銀座の大どおりへ、はいだしていました。それをおっかけるおまわりさん。さわぎをききつけて、近くの交番から、とびだしてきたおまわりさんがふたり、そのあとから走っています。それから、ずっとおくれて、こん棒などを持った町の男の人たちが、こわごわ、つづいているのです。その人数もいまでは、十五―六人に、ふえていました。
真夜中の二時ごろですから、銀座には、まったく人どおりがありません。電車の通らないレールばかりが、銀色にひかって、どこまでもつづいています。あの人どおりのおおい銀座が、夜中には、こんなにもさびしくなるのかと、おどろくほどです。昼間、にぎやかなだけに、夜のさびしさは、こわいようでした。
そのひとけのない大どおりの、銀色の電車のレールの上を、クマのように大きなカブトムシのばけものが、たくさんの足を、いそがしく動かして、おそろしい早さで、走っているのです。
二度、三度、ピストルが、なりわたりました。しかし、怪物は、鉄でできているのでしょうか、たまがあたっても、カーンとはねかえるばかりです。