Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 41 029 caractères · 82 écrans

Aozora Bunko

八五郎の話には、何やら含みがあって、ただの恋物語でもなさそうです。

「黙って聴くとも。お前も話の途中で、妙なところが痒くならないように――」

銭形平次は、お静の持って来た徳利を一本、銅壺の中にポンと入れて、膳の支度を待つあいだ、神妙に八五郎の話を聴く気になった様子です。

「場所は螢沢の畑の中」

「千駄木坂下町だね。恐しく淋しいところだ。野駈けに若い女でも見かけると、昼狐の化けたのと間違える」

「無駄が多いね、親分」

「ホイ、これはお前のお株を横取りしちゃ済まねえ」

「その螢沢の畑の中、藪と流れを挾んで、立派な家が二軒建っていると思って下さい」

「思うよ――どうせ俺たちが借りて住むような家じゃなかろう」

「西の方の二階屋は本町の呉服問屋朝倉屋三五兵衛の寮で、倅の竜吉というのが、学問に凝って商売が嫌い、義理の兄の福之助夫婦と、中年者の女中を一人に小僧を一人使って住んでいるうちに、暇と贅沢が嵩じて、恋の病となった」

「…………」

「東の方の平屋は、浪人立花久三郎の家だ。娘お妙と甥の富坂松次郎の三人暮し、母親がないから、武家の娘でもお妙坊は近所の百姓の娘と同じように育った――」