Classiques japonais avec furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lisez 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) de 長谷川 伸 (はせがわしん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 753 caractères · 192 écrans
〔大詰〕
第一場 飛騨高山の街
政吉 やった。うむ、やった。餌差屋の奴め、財布を出して、これで勘弁しろ、多寡が女中じゃねえかと云やがった。勘弁するもんか。畜生、ふてえ奴だ。(歩き出す)
金造 ど、どこへ行くのだお前。
政吉 家へ行くんだ。おさんが待ってらあ。
金造 駄目だあ、おさんさん、剃刀で咽喉を切って、お前の衣物を抱き締めて、死んでいるぜ。
政吉 (暫く答えず)そうか。死んだか。(よきを力なく落し)ううむ、死んだのか。
金造 お前、逃げなくちゃいけねえだろう。
政吉 俺あな――俺あな、また一人ぽっちになった。(歩む)
金造 (見送る)目も当てられねえ。死んだおさんさんも可哀そうだ。生きてる政ちゃんお前は、尚、可哀そうだなあ。(角材の上に泣き伏す)
政吉 死んだのか。そうか――おさんが死んだとよ。(よろめいて去る)
〔大詰〕
第一場 飛騨高山の街
飛騨高山の宮川に臨む街の一部。九月下旬の闇の夜。
宮川の岸に並ぶ家々に灯が点ぜられ、遠く見える城山の麓と中腹とにも、灯が点々と見える。宮川の流れに灯が倒影している。
胡弓の咽ぶ如き音色、四ツ竹の悲しげな響きが、初め遠く聞え、唄が近くなれば音色も近くなる。