Classiques japonais avec furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lisez 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) de 長谷川 伸 (はせがわしん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 753 caractères · 192 écrans
老船頭 お前、取手の安孫子屋の阿魔に凝ったことがあったのう。
清大工 (破顔して)何をいうだえ。(顔を引込める)
老船頭 おうい清大工よう。冗談コにきくではねえぞ。ここにいなさる人が知りたがってるんだ。この人はだれか尋ねてるらしいだ。
清大工 (再び半身を見せて)ほうか。だれのことだね。
茂兵衛 お仕事中お手をとめさせて相済みません。もしや、十年ばかり前に、安孫子屋にいた女で、お蔦さんという人をご存じではございませんでしょうか。
清大工 お蔦というのかね。憶えていねえなあ。永くいた女なら大抵知ってるだがなあ。
茂兵衛 その時は二十三、四、色の白い、美い女でしたが――ご存じござんせんか。
清大工 (老船頭に)お前知ってねえのか。
老船頭 知ってればお前を呼ばりはしねえ。
清大工 随分お前も凝って行ってたによう。
老船頭 利根川船頭は一つ女に凝らねえさ。それが定法さ。
清大工 そうでねえ。お前の凝ってたのは、ええと、お松といったけかなあ。
老船頭 そりゃお前のだ。
清大工 そうそう。俺の女がお松だ、えらい酒食いだったけなあ。
老船頭 あの頃はまだ俺もお前も、まだまだピンピンしてたっけのう。