Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もん

門

夏目 漱石

Lisez 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 830 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

それでも離れているうちは、まあどうかしているだろうぐらいに思って放っておきます。時たま音便があったって、蒙古という所は、水に乏しい所で、暑い時には往来へ泥溝の水を撒くとかね、またはその泥溝の水が無くなると、今度は馬の小便を撒くとか、したがってはなはだ臭いとか、まあそんな手紙が来るだけですから、――そりゃあ金の事も云って来ますが、なに東京と蒙古だから打遣っておけばそれまでです。だから離れてさえいれば、まあいいんですが、そいつが去年の暮突然出て来ましてね」

主人は思いついたように、床の柱にかけた、綺麗な房のついた一種の装飾物を取りおろした。

それは錦の袋に這入った一尺ばかりの刀であった。鞘は何とも知れぬ緑色の雲母のようなものでできていて、その所々が三カ所ほど巻いてあった。中身は六寸ぐらいしかなかった。したがって刃も薄かった。けれども鞘の格好はあたかも六角の樫の棒のように厚かった。よく見ると、柄の後に細い棒が二本並んで差さっていた。結果は鞘を重ねて離れないために銀の鉢巻をしたと同じであった。主人は

「土産にこんなものを持って来ました。蒙古刀だそうです」と云いながら、すぐ抜いて見せた。