Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

Lisez 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 947 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

マスコミの震源地に住む白ナマズみたいに信平の顔が見えた。

これまでにも、文学碑というと、ほとんどが谷口吉郎氏をわずらわしている。こんどの火野葦平氏のもまた同氏の設計になるらしいが、その追悼会の夜、谷口さんが「佐々木道誉のデザインはおもしろいですな」と私へいわれた。いかにも建築家らしい表現だし寸評だと思われた。またよく辰野隆氏からも会うたびに「私本太平記」への感想やべんたつをいただいている。「これまでに読み落したのは、旅先での一回しかなかったぜ、君」ともいわれた。それとなお辰野氏は、北条高時の同情者でもあった。彼は北条末期のもっとも悪い時代に生れあわせたが、しかし鎌倉文化の功労者ではある。当時の文化人のパトロンであったことなど買ってやらねば可哀そうだ、ともいつか力説しておられた。

いよいよその高時の最期と、鎌倉滅亡の日が、小説のうえで近づいてきた。一世紀半の鎌倉文化も、北条一族のキラ星も、一朝にみな瓦礫と化してしまうのである。太平記くらいたくさんな人が死んでゆく小説もない。平家時代にはなおあった人間同士の真と善と美もすべて廃れはてていた。いわば“無道時代”“悪の時代”だったといえよう。