Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lisez 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 947 caractères · 114 écrans
「私本太平記」を書きながらもつくづく感じる。当時もその下ではみな世を考え、自分を処し、他を評し、誰もが自分を愚者とも盲目とも思ってはいなかった。だが、今日から観れば、その歴史の中に泳いでいた人間の十中八、九が、
魚に河は見えない
といえる群魚でしかなかったことがわかる。
かえりみてぼくらもまた、今日の大河が見えない、雑魚と雑魚との盲仲間に過ぎないのではないか。
このごろ、宴会の卓や朝飯の膳に向っても、ふと、中共の飢饉と聞くニュースが胸につかえてきてならない。
つぶさな情況を私たちは聞かされていないが、去年の中共大陸のカンバツや水害が並々ならぬ範囲と深刻な惨害にあるとだけはチラチラ報道されている。
もしほんとだとしたら、何とか私たちの心の物だけでも、数億の罹災の隣人に届けうる方途はないものだろうか。こんなさい国家と国家の垣に立って理クツをいっている非情な管理人があるとすれば非情すぎる。日ごろ日中文化の交流にあたっている文化人などもこれに無策でいるのだろうか。――とまれ私たちは、ひとつの慚愧をつねに隣家の民にたいしては忘れえずにいる。そのため壁一ト重の情と同憂から、そしてまた、自分の飯を美味く食うためにもお隣の朝飯の多幸をも願わずにいられないのだ。