Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しもばしら

霜柱

山本 周五郎

Lisez 霜柱 (しもばしら) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 328 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

という結果を伴っていたようであった。

雪ノ井で飲んだ日から十日ほどのち、城中の長廊下で、喜兵衛は石沢金之助に声をかけられた。

「その後どうだ」と石沢が訊いた、「辛抱ができそうか」

「うん」喜兵衛は眩しそうな眼つきをし、ちょっと口ごもった、「まあ、大丈夫だろう」それからぽつりと云った、「あの老人は気の毒な人らしいな」

石沢は訝しそうに眼を細め、喜兵衛は顔をそむけながら、いそぎ足に去った。それは正月下旬のことであったが、二月にはいってまもなく、喜兵衛は石沢家へ夕餉に呼ばれていった。和泉すみとの祝言が近づいたので、その打合せもあり、喜兵衛は珍しく上機嫌に酔った。そのうちにふと、彼は急に首を垂れながら「可哀そうな人だ」と呟いた。

言葉は簡単であるが、心から滲み出るような、感情のこもった口ぶりで、石沢は思わず彼に振向いた。そして、彼が誰のことを云っているか、すぐに理解した。

「おい石沢」喜兵衛は顔をあげた、「江戸屋敷に時岡八郎兵衛という足軽がいたのを覚えてるか」

「知らないな」

「けいさん」と喜兵衛は石沢の妻に呼びかけた、「酒をもう少し頼みます」

けいは良人の顔を見た。