Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいねん
青年
Lisez 青年 (せいねん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 670 caractères · 246 écrans
純一はぼんやりして宿屋の方へ歩いている。或る分析し難い不愉快と、忘れていたのを急に思い出したような寂しさとが、頭を一ぱいに填めている。そしてその不愉快が嫉妬ではないと云うことを、純一の意識は証明しようとするが、それがなかなかむずかしい。なぜと云うに、あの湯本細工の店で邂逅した時、もし坂井夫人が一人であったなら、この不愉快はあるまいと思うからである。純一の考はざっとこうである。とにかくあの岡村という大男の存在が、己を刺戟したには相違ない。画家の岡村と云えば、四条派の画で名高い大家だということを、己も聞いている。どんな性質の人かは知らない。それを強いて知りたくもない。唯あの二人を並べて見たとき、なんだか夫婦のようだと思ったのが、慥かに己の感情を害した。そう思ったのは、決して僻目ではない。知らぬ人の冷澹な目で見ても、同じように見えるに違いない。早い話が、あの店の上さんだって、若しあの二人に対して物を言うことになったら、旦那様奥様と云っただろう。己は何もあんな男を羨みなんかしない。あの男の地位に身を置きたくはない。しかし癪に障る奴だ。こんな風に岡村を憎む念が起って、それと同時に坂井夫人に対しては暗黒な、しかも鋭い不平を感ずる。