Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいねん
青年
Lisez 青年 (せいねん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 670 caractères · 246 écrans
純一は取り散らしたものを革包の中に入れながら、昨夜よりも今朝起きた時よりも、だいぶ冷かになった心で、自己を反省し出した。東京へ帰ろうと云う決心を飜そうとは思わない。又それを飜す必要をも見出さない。帰って書いて見ようと思う意志も衰えない。しかしその意志の純粋な中へ、極軽い疑惑が抜足をして来て交る。それはこれまで度々一時の発動に促されて書き出して見ては、挫折してしまったではないかと云うきである。幸な事には、この※(「口+耳」、第3水準1-14-94)きは意志を麻痺させようとするだけの力のあるものではない。却て製作の欲望を刺戟して、抗抵を増させるかと思われる位である。
これに反して、少しの間に余程変じたのは、坂井夫人に対する感じである。面当てをしよう、思い知らせようと云うような心持が、ゆうべから始終幾分かこの感じに交っていたが、今明るい昼の光の中で考えて見ると、それは慥かに錯っている。我ながらなんと云うけちな事を考えたものだろう。まるで奴隷のような料簡だ。この様子では己はまだ大いに性格上の修養をしなくてはならない。それにあの坂井の奥さんがなんで己が立ったと云って、悔恨や苦痛を感ずるものか。