Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たかしまいし
高島異誌
国枝 史郎
Lisez 高島異誌 (たかしまいし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 007 caractères · 26 écrans
妖僧の一泊
妖僧の一泊
「……ええと、然らば、匁という字じゃ、この文字の意義ご存知かな?」
本条純八はやや得意気に、旧い朋友の筒井松太郎へ、斯う改めて訊いて見た。二人は無聊のつれづれから、薄縁を敷いた縁側へ、お互にゴロリと転りながら、先刻から文字の穿鑿に興じ合っているのであった。
「匁という文字の意義でござるか? いやいや拙者不案内でござるよ」
松太郎は指で額を叩き、苦笑しながら左様云った。
「然らばご教授申そうかの――匁と申す此文字はな、何文の目という意義でござるよ。つまり文〆と書くべきを略して此様に書き申す」
「ははあ、文〆の略字かの。如何様、是は尤じゃ」
「何んと古義通ではござらぬかな」
「天晴古義通、古義通じゃ」
仲の宜い二人は笑い合い、何んの邪気も無く褒め合った。
先刻から門前に佇んで、鈴を鳴らしていた托鉢僧――頭髪白く銀のように輝き、皮膚の色も白く鞣革のように光った、老いた威厳のある托鉢僧は、其時何んと思ったか、つかつかと門の内へ這入って来たが、
「失礼ながら匁の穿鑿、ちと曖昧でござり申すよ」
斯う云うと縁側へ腰をかけた。
「これはこれは旅の僧、匁の字に異議ござるとの?」