Classiques japonais avec furigana
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こうやひじり
高野聖
泉 鏡花
Lisez 高野聖 (こうやひじり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 025 caractères · 71 écrans
十四
(貴僧、こちらへ。)
といった婦人はもう一息、目の下に立って待っていた。
そこは早や一面の岩で、岩の上へ谷川の水がかかってここによどみを作っている、川幅は一間ばかり、水に臨めば音はさまでにもないが、美しさは玉を解いて流したよう、かえって遠くの方で凄じく岩に砕ける響がする。
向う岸はまた一座の山の裾で、頂の方は真暗だが、山の端からその山腹を射る月の光に照し出された辺からは大石小石、栄螺のようなの、六尺角に切出したの、剣のようなのやら、鞠の形をしたのやら、目の届く限り残らず岩で、次第に大きく水にったのはただ小山のよう。」
十四
「(いい塩梅に今日は水がふえておりますから、中へ入りませんでもこの上でようございます。)と甲を浸して爪先を屈めながら、雪のような素足で石の盤の上に立っていた。
自分達が立った側は、かえってこっちの山の裾が水に迫って、ちょうど切穴の形になって、そこへこの石を嵌めたような誂。川上も下流も見えぬが、向うのあの岩山、九十九折のような形、流は五尺、三尺、一間ばかりずつ上流の方がだんだん遠く、飛々に岩をかがったように隠見して、いずれも月光を浴びた、銀の鎧の姿、目のあたり近いのはゆるぎ糸を捌くがごとく真白に翻って。