Classiques japonais avec furigana
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こうやひじり
高野聖
泉 鏡花
Lisez 高野聖 (こうやひじり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 025 caractères · 71 écrans
ン手に喧しく己が家号を呼立てる、中にも烈しいのは、素早く手荷物を引手繰って、へい難有う様で、を喰わす、頭痛持は血が上るほど耐え切れないのが、例の下を向いて悠々と小取廻しに通抜ける旅僧は、誰も袖を曳かなかったから、幸いその後に跟いて町へ入って、ほっという息を吐いた。
雪は小止なく、今は雨も交らず乾いた軽いのがさらさらと面を打ち、宵ながら門を鎖した敦賀の通はひっそりして一条二条縦横に、辻の角は広々と、白く積った中を、道の程八町ばかりで、とある軒下に辿り着いたのが名指の香取屋。
床にも座敷にも飾りといっては無いが、柱立の見事な、畳の堅い、炉の大いなる、自在鍵の鯉は鱗が黄金造であるかと思わるる艶を持った、素ばらしい竈を二ツ並べて一斗飯は焚けそうな目覚しい釜の懸った古家で。
亭主は法然天窓、木綿の筒袖の中へ両手の先を竦まして、火鉢の前でも手を出さぬ、ぬうとした親仁、女房の方は愛嬌のある、ちょっと世辞のいい婆さん、件の人参と干瓢の話を旅僧が打出すと、にこにこ笑いながら、縮緬雑魚と、鰈の干物と、とろろ昆布の味噌汁とで膳を出した、物の言振取成なんど、いかにも、上人とは別懇の間と見えて、連の私の居心のいいといったらない。