Classiques japonais avec furigana
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こうやひじり
高野聖
泉 鏡花
Lisez 高野聖 (こうやひじり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 025 caractères · 71 écrans
引かかるよう、刻が入れてあるのじゃから、気さえ確なら足駄でも歩行かれる。
それがさ、一件じゃから耐らぬて、乗るとこうぐらぐらして柔かにずるずると這いそうじゃから、わっというと引跨いで腰をどさり。
(ああ、意気地はございませんねえ。足駄では無理でございましょう、これとお穿き換えなさいまし、あれさ、ちゃんということを肯くんですよ。)
私はそのさっきから何んとなくこの婦人に畏敬の念が生じて善か悪か、どの道命令されるように心得たから、いわるるままに草履を穿いた。
するとお聞きなさい、婦人は足駄を穿きながら手を取ってくれます。
たちまち身が軽くなったように覚えて、訳なく後に従って、ひょいとあの孤家の背戸の端へ出た。
出会頭に声を懸けたものがある。
(やあ、大分手間が取れると思ったに、ご坊様旧の体で帰らっしゃったの。)
(何をいうんだね、小父様家の番はどうおしだ。)
(もういい時分じゃ、また私も余り遅うなっては道が困るで、そろそろ青を引出して支度しておこうと思うてよ。)
(それはお待遠でござんした。)
(何さ、行ってみさっしゃいご亭主は無事じゃ、いやなかなか私が手には口説落されなんだ、ははははは。