Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans

Aozora Bunko

その小脇に引っ抱えられたお米は、あわれ悶絶、猿轡の無残な姿が、もがく力をさえ失って、ダラリと白い手を垂らしたまま……。

堤を下りて市岡新田、耕地の闇を四、五町走ると、道はふたたび大川の洲へ出て、そこに一艘の高瀬舟。

「旦那、わしの肩へお貸しなさい」

「ウム、さすがに疲れた……よいか、水へ落すなよ」

「生人形のようなもの、軽いもんでさ」

「よし、船は拙者が抑えている」

「おッと!」

お米を肩に引っ担いで、仲間の宅助、ぽんと舟へ飛び移った。

続いて啓之助。

グンと棹を押すと、舟底をザラザラと折れ芦が撫でて、二つばかり舳が廻った。

藁箒を取って、櫓臍へ湿りをくれた宅助、ツーウと半町ほど流れにまかした所から、向う河岸春日出の、宏大な館の甍をグッと睨んで、

「旦那、お長屋の方じゃありますまいね」

「違う!」

「じゃお船蔵?」

「水門へ着けろ」

「目付が控えておりますぜ」

「まずいな」

「生きものですから、バレた日には困りまさ」

「うむ……お下屋敷へはなお持ち込めぬし……」

「女一人のために、家断絶なんざ、ましゃくに合いません」

「意地だ、どこかへ着けろ」

「と、しますと、六軒家の森ですね」