Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans
「行ってこい! だが、なんだぞ、もし大阪へ行ったきり戻らぬ時には、きッと命を貰いにまいるぞ、いいか、それだけを忘れるなよ」
「まあ、邪推ぶかい」
「それでなくとも、貴様は剣山の隠密みたいに、隙さえあれば逃げたがっているんだ」
「そんなことがあるもんですか、きっと、一日でも早く、阿波へ帰ってまいります」
「宅助を付けてやる、あれを連れてゆけ」
「エエ、その方が、私も気強うございます」
「で、近いうちには、お関船の便がないから、上方へ荷をだす四国屋のあきない船へのせて貰うがいい。そして、帰りには、月の下旬に阿波へ戻る同じ船で、きっと帰ってこないと承知せぬぞ」
ともすると、啓之助が気を試そうとするふうなので、お米はうれしそうな顔色を隠すことに注意していた。
と。二人のいるこの納屋蔵のまわりへ、急ぎ足にきた人足が止まって、
「森様――。森様はここにおいでではございませんか」戸をこじあけて入ってくる様子だ。
「あ、誰かきました」
「お米」
啓之助はあわててあたりを見廻して、納屋番の藁ぶとんが積んであるうしろへ、女を隠した。そして自分から入口の土間へ姿をみせ、
「啓之助はここにいるが、なんじゃ」