Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

「なにを騒いでいるのだ」

と枕に顎を乗せたけれど、容易に立ち上がりそうもない。

「意外なやつに出会ったぞ。まアいいから、とにかく起き上がってくれ」

「起きろというのか」

「ぐずぐずしているまには、またとない機会をのがしてしまうことになる」と孫兵衛は、用捨なく二人の夜具をはねのけた。かくてはいかに横着な周馬でも一角でも、安閑と寝てはいられないので、それと一緒に飛び上がって、

「では、会田屋に泊っているやつが、宿をぬけだして行ったのだろう」と、当然そうあるべきことと、思い当るところをいったが、孫兵衛はそれでもないとかぶりを振って、枕元の水挿を取り、

「とにかく、こいつをグーと飲んで、よく眼をさまして貰いたい。その上で話すとしよう」

「ふム? ……」と一角は、やや怪訝な顔をしたが、すすめられるまでもなく、酔ざめのほしかったところなので、それを取って水挿の口から喉を鳴らして飲み干し、周馬にもすすめると、周馬は事態の容易ならぬさまにやや寒さをもよおしたらしく、いらない、とばかり身を硬くしてお十夜の面をジッと見つめている。

「ところで、何だ、お十夜」

「周馬」

「ウム」

「一角」