Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうごんをあびるおんな

黄金を浴びる女

野村 胡堂

Lisez 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 350 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

、何うしても三十万両なくちゃ、新米の出廻るまでの凌ぎが付かないと仰しゃるんだ、そんな大した金は、町人からは絞りようがねえ、当てにするのは小判が唸って居る金座銀座の役人衆の懐ばかり」

「もう解ったよ、権次さん」

「えッ」

お駒はいきなり顔を挙げると、権次の饒舌を封じて了い度い様に斯う言いました。

「理窟は知らないが、向うでも隣りでも、三度の食事は愚かろくなおも湯も啜れなくって、弱い者や年寄や子供が、バタバタ死んで行くのは私もよく知って居る。こんな時世に、色の恋のと言っては勿体ない、私は行くよ」

「えッ」

「後藤の小倅のところへ行って、あの三戸前の蔵の中に、何が入って居るか見届けてやるよ」

「本当かいお駒さん」

「だけどもさ、あの青瓢箪野郎の儘になると思えば、私は口惜しい」

「お駒さん」

「何んだって又、私はこんなに綺麗に生れ付いたんだい」

「そんな事を言ったってお駒さん」

「私は泣き度い、権の字、膝を貸しておくれよ」

「御安い御用だとも」

お駒は、権次の膝の上へ身を伏せて、泣いて泣いて泣き耽りました。身も浮くばかり――と言う形容詞は、こんな時だけが本当らしく使えます。

湯のような美女の涙が、布子を通して太股に流れるのを、権次は手の付けようの無い心持で、我慢しました。