Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうごんをあびるおんな
黄金を浴びる女
野村 胡堂
Lisez 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 350 caractères · 22 écrans
蔵へ行き度い願い
「何うした物で御座いましょう旦那様、どんなに不自由なく暮しても、世間並の囲われ者では、私は厭で御座います」
「待て待て吹屋町へ入れることを、ならぬとは言わぬぞ、一応父上へ申上げて、近いうちに吉左右を知らせるとしよう」
「旦那様、お願で御座います」
お駒は一生懸命でした、ツイぞ側へ寄ったことも無い三之丞の膝に取縋って、それをグイグイと動かし乍ら、あらゆる媚と我儘と、魅惑と香気を撒き散らします。
蔵へ行き度い願い
話は思いの外トントン拍子に進みました。二十六まで独身を通して、お駒より外の女には、振り向いても見ようとしなかった三之丞の一克さが、頑固な父の三右衛門を動かして到頭「召使」という名儀でお駒を容れることになったのは、それからたった三日の後だったのです。
お駒は手軽に吹屋町に乗込みました、が、宏大な屋敷の中に入って、幾十人の召使の中に立ち交ると、今更お駒の美しさが目に付きます。
鉄火者という評判を取ったお駒が、思いの外素直に仕えるので、三右衛門も少し予想外な心持でした。
二日、三日、五日、と日は経ちます。
凶作の後の恐ろしい餓は、江戸中を濡れた灰のように冷たく不活溌にして了いましたが、吹屋町の後藤の屋敷は、栄華と歓楽が渦を巻いて居りました。