Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうごんをあびるおんな

黄金を浴びる女

野村 胡堂

Lisez 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 350 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

「旦那様、危のう御座います」

何処から出て来たか、中間姿の男が立塞がります。

「何んだ、権次か、曲者が入って居る、お前は引返して皆んなを起して来い」

「旦那様は?」

「俺は中へ入って見る」

後藤三右衛門、充分胆が据って居ります。

「それは危う御座います、旦那様」

権次は尚おも蔵の戸前から離れようとしません、此処から三右衛門を入れたら、何んな事になるかわからなかったのです。

「えッ、退け退け」

併し三右衛門はもう我慢をしませんでした、権次をかき退けると、樫の板戸を開けて、中へ、

「あッ」

中は淡い灯に照されて、黄金の雨、黄金の洪水です。

「己れッ、売女」

黄金の洪水を禦して、あらゆる狂乱を続けて居るお駒を見ると、三右衛門の手槍は、サッと伸びました。

「あッ」

薄桃色に上気した美女の肉体が、黄金の山の上へ崩折れると、胸から赤い血潮が、滝の如く吹き出すのでした。

「権次、権次さん」

お駒はそう言って、顔をあげましたが、土蔵の外に、何やら物の気配を感じると、又ガックリ血潮の中へ崩折れて、其儘息は絶えて了いました。

黄金の音、――続く絶叫、自分を呼ぶ声などを聞いて、権次は何遍か蔵の中へ飛込もうとしましたが、思い直して一散に門の外へ飛出して了いました。