Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くろゆり

黒百合

泉 鏡花

Lisez 黒百合 (くろゆり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 148 caractères · 154 écrans

Aozora Bunko

町や辻では評判の花売が、曲角から遠くもあらず、横町の怪我を見ると、我を忘れたごとく一飛に走り着いて、転んだ地へ諸共に膝を折敷いて、扶け起そうとする時、さまでは顛動せず、力なげに身を起して立つ。

「どこも怪我はしませんか。」と人目も構わず、紅絹を持った男の手に縋らぬばかりに、ひたと寄って顔を覗く。

「やあい、やあい。」

「盲目やあい、按摩針。」と囃したので、娘は心着いて、屹と見て、立直った。

「おいらのせいじゃあないぞ、」

「三年先の烏のせい。」

甲走った早口に言い交わして、両側から二列に並んで遁げ出した。その西の手から東の手へ、一条の糸を渡したので町幅を截って引張合って、はらはらと走り、三ツ四ツ小さな顔が、交る交る見返り、見返り、

「雁が一羽懸った、」

「懸った、懸った。」

「晩のお菜に煮て食おう。」と囃しざま、糸に繋ったなり一団になったと見ると、大な廂の、暗い中へ、ちょろりと入って隠れてしまった。

新庄通れば、茨と、藤と、

藤が巻附く、茨が留める、

茨放せや、帯ゃ切れる、

さあい、さんさ、よんさの、よいやな。

と女の子のあどけないのが幾人か声を揃えて唄うのが、町を隔てて彼方に聞える。