Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あだこ

あだこ

山本 周五郎

Lisez あだこ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 762 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

――米屋も酒屋も十兵衛が払った、あだこが十兵衛から金を預かって来て、それで支払っているに相違ない。

半三郎はそう推察した。さもなければ、あれだけ借が溜まっているのに、商人たちが貸す道理がないだろう。これでわかった、底は見えたぞと彼は思った。十兵衛がどれだけねばるかみてやろう、というふうな、皮肉な考えにとらわれながら、あだこに対してはふしぎに反感もおこらず、困らせてやろうなどという気にならなかった。

十二月中旬の或る夜――、あだこは彼のそばに坐って、縫い物をしながら話していた。そこは半三郎の居間の六帖で、彼は机に肱をつき、ときどき火桶に手をかざしながら、彼女の話すのを聞いていた。昏れがたから降りだした雨が、さっきまで静かに庇を打っていた。その音がいつかしら聞えなくなり、戸外はしんとしずまりかえっていた。

「そのお庭の奥に鼬の夫婦が棲んでいたんです」とあだこは続けていた、「もう三十年の余も棲んでいて、夫婦だけでずっとくらしていたんですって」

「どこの庭だって」と彼が訊いた。

「唐内坂の御殿ですわ」

「からない坂、――」と彼はあだこを見た、「聞かない名だがどこにあるんだ」