Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あだこ

あだこ

山本 周五郎

Lisez あだこ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 762 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

八

市兵衛は伊賀屋と魚銀とで話しあった。このままではおいそさんが可哀そうだ、いっそ貸すのはやめにして、おいそさんのことは三人で引受けよう。そう相談がきまったので、市兵衛が代表で話に来た。しかし旦那の云うことを聞くと、曽我とかいう人がうしろにいる、代銀はその人から出ている、と思いこんでいるようだ。本当にそう思いこんでいたのなら話も違ってくる、自分は考え直した。自分はこれからも米を持って来ようし、伊賀屋にも魚銀にもわけを話す。おそらくどっちも反対はしないだろう、これまでどおりに品を持って来ることになるだろう。

――だがそれは旦那のためではない、と市兵衛ははっきり云った。決して旦那のためではない、おいそさんに持って来るのだから、そこをよく覚えておいて下さい。

襖の向うから、市兵衛はそれだけのことを云い、云い終るとすぐに去っていった。半三郎はじっと横になったまま、市兵衛の去ってゆくもの音を聞いていたが、やがて起きあがると、立って洗面にゆき、戻って来るなり机に凭れて、考えこんだのであった。

八

あだこが帰ったとき、半三郎はいなかった。彼女は風呂を焚きつけ、夕餉の支度をした。