Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あだこ
あだこ
山本 周五郎
Lisez あだこ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 762 caractères · 46 écrans
十兵衛は出立するまえに訪ねて来て、一刻あまりも半三郎に意見をし、自分が帰って来るときまでにしっかり立ち直ってくれ、と云っていった。ところが、帰ってみると立ち直るどころか、事情はさらに悪くなっていた。半三郎は出仕もせず、酒を飲んだり遊び歩いたりするばかりで、家計は窮迫し、家扶も家士も、下男小者も出ていってしまった。借財は嵩むだけ嵩み、いまでは友人たちも匙を投げてしまった。十兵衛はそれを聞いたのだ、共通の友達である秋田源右衛門、三枝小市郎、安部右京らから聞いて、かっとなって押しかけて来たのだ。
「お父上のここまで仕上げた御苦労が、このままでは水の泡になってしまうぞ」と十兵衛はひらき直った、「あんなことがそれほど重大なのか」
「父は三年まえに死んでいるよ」
「そんなことは聞くまでもない」
「父は小林の家名をあげようと望み、その望みを達して死んだ、ほぼ望みを達し、将来のみとおしもつけて、満足して死んだんだ、――たとえおれが小林の家を潰すとしても、それは死んだ父とは関係のないことだ」
「それほどあのことが重大なのか」
半三郎は残り少ない酒を手酌で飲んだ。脇に一升徳利が二つあり、膳の上とそのまわりに、燗徳利が五本並んでいた。