Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あだこ

あだこ

山本 周五郎

Lisez あだこ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 762 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

しかし九十日ほどいたが、店の若い者たちがいやらしくからかうし、手代の一人は寝間へ忍んで来たりするので、支配人の妻女に告げて暇をもらった。そのとき、妻女の口ききで請け人宿の世話になり、一年ばかりのあいだに四カ所も奉公をしたが、どこも長くはいられなかった。三軒は商店、一軒は料理茶屋であったが、どこでも店の若い者にいやなことをされる。一軒では主人が、それも五十幾つかになり、孫のある人が、力ずくでいうことをきかせようとした。それでそこをとびだしたので、請け人宿の世話になれなくなったが、武家ならばそんなみだらなこともないだろうし、わけをよく話せば、請け宿がなくとも使ってくれるかもしれない。そう思って、この麹町一帯を歩きまわった。

その日は平河天神の社殿の床下で寝た。その夜はこころぼそさのあまりよく眠れず、こんなふうに歩きまわっても、雇ってくれる家はみつかるまい。いっそ請け人宿へ戻って詫び、もういちど、宿の世話になろうか、などと思ったりした。

「でもそこが、あたしの運のいいところだったんですね、次の朝になって、念のためにもういちどと思ってまわっているうちに、このお屋敷にゆきあうことができたんです」