Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あだこ

あだこ

山本 周五郎

Lisez あだこ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 762 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

半三郎が立ち直ったのはあだこのおかげだ、というのである。あだこは恥ずかしがって逃げようとし、みんなはむりにひき止めて盃を持たせた。そのとき十兵衛は気がついたのだ。いちど会っただけであるが、釜戸の煤を塗っていないあだこの顔が、見ちがえるほどきれいになり、美しくさえなっていることに驚き、それを不審そうに半三郎に糺した。

半三郎はわけを話したが、話しているうちにとつぜん笑いだし、笑いだすと止らなくなって、しまいには苦しさのあまり畳へ手をついて喘いだ。

「いや、心配するな、なんでもない」と彼は俯向いたまま四人に云った、「釜戸の煤となんのかかわりがあるかわからないが、ひょっと夫婦鼬のことを思いだしたんだ」

「なんだ、夫婦鼬とは」そう訊いたのは安部右京だった。

「その」と彼は俯向いたままで、用心ぶかく云った、「あだこの話なんだが、津軽の藩主の別墅に鼬がいて、それが夫婦で三十年の余もいっしょに棲んでいるんだが、う、その、どっちも年をとりすぎたので、男の鼬のほうは」

半三郎はまっ赤になり、喉を詰らせながらだめだと云った。

「だめだ、おれはだめだ」と彼は立ちながら云った、「あだこに聞いてくれ」