Classiques japonais avec furigana
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いちじゅくのき
いちじゅくの木
小川 未明
Lisez いちじゅくの木 (いちじゅくのき) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 737 caractères · 4 écrans
」
「君の家のは?」
「僕のうちのは、まだ一つも実がならないよ。」と、吉雄くんは、いいました。
「きっと、場所がいけないのだよ。」
「場所が?」
「これは、土がよくて、日がよく当たるから、早く大きくなったのだと、お祖父さんがいっていらしたよ。」と、年郎くんは、いいました。これをきいて、吉雄くんは、はじめて、自分の植え場所の悪かったのを悟ったのでした。
「果物は、日のよく当たるところでなければ、よく育たないとお父さんもおっしゃったよ。」
「じゃ、僕も、こんど日当たりのいいところへ植えかえてやろう。」といって、吉雄くんは、自分のうちのいちじゅくが、くらべものにならぬほど、成長のおそいのをかわいそうに感じたのでした。
吉雄くんは、お家へ帰って、さっそく、庭の片すみにあったいちじゅくの木を、圃へ移してやりました。
「僕がわるかったのだ。さあ、早く大きくなって、兄弟に、負けてはならない。」と、いちじゅくの木に向かって、いいました。
吉雄くんは、それからは、よく木に注意して、肥料をやったりしました。
すると、吉雄くんのいちじゅくの木も、ぐんぐん大きくなってゆきました。そして、早くも、明くる年には、みごとな実が幾つもついたのであります。