Classiques japonais avec furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lisez いやな感じ (いやなかんじ) de 高見 順 (たかみじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 292 113 caractères · 587 écrans
そうした隠語を使うのはキザだ、ハッタリだと、人から思われることはかまわないが、俺が泥棒の隠語を使うことで俺たちアナーキストが泥棒と同じ類いの人間と見られることは困る。アナーキストの名誉のためにそれは心外だ。
隠語なんか、ほんとは使わないほうがいいのだ。と知りながら、隠語がつい口をついて出てくるのはなぜか。
現在の俺に残されているのはこの隠語だけなのだ。波瀾万丈――と自分で言っちゃおかしいが、そうした俺の過去が俺に残して行ったものはただこの隠語だけだったのだ。――
北槻中尉らの話を、聞くともなく聞いていると、軍の上層部には派閥があって、醜い勢力争いをしているようだった。ナワバリ争いだ。いや、マジメに書こう。いわゆる革新派にも同じような派閥があって、相剋とも言うべきその争いは、ひとしく錦旗革命を意図している青年将校の間にも分裂をもたらしていた。
そうした話のなかに真木大将という名がしきりと出てきて、北槻中尉はこの真木大将に心服している語調である。
「慷堂先生はどっちの派だ」
と俺はカニの脚から身を箸でつつき出しながら聞いた。
「先生は真木大将を信頼している。