Classiques japonais avec furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lisez いやな感じ (いやなかんじ) de 高見 順 (たかみじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 292 113 caractères · 587 écrans
相手はイカサマ師とはいえ、人を殺したにはちがいなかった。
「あの犬は、いつも俺の顔を見るのに、今夜はあんたを見ている」
怒ったようにアビルは言った。犬は俺たちの話に興味を持ったみたいに、小首をかしげていた。
「俺には犬が憑いているからか」
「あんたは不思議に誰からも愛される」
「愛される値打ちのない人間なのに」
「自分でそうきめてかかって……殺している」
「人を……?」
「愛を……」
その声には神秘がみちていた。
「だから、自分を……」
藤棚の柱に、犬が片足をあげた。小便をするなと見たら、小便は出なかった。それを恥じるような眼差しを投げて、こそこそと犬は去った。
「あんたは、気違いじゃなくて、すげえインテリだな」
俺が言うと、アビルは、
「インテリだなんて、そんなの、ちっともお世辞にならない。インテリなど今の時代には何の役にも立たない……」
そう言うのがインテリである証拠だ。
「インテリのくせに、俺のことを犬が憑いてるとか、なんとか……」
「あれは、ハッタリさ」
小便の出なかった犬みたいに恥ずかしそうに言った。
「いや、ほんとに犬が憑いているかもしれない。俺は犬をぶっ殺したんだ。