Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lisez いやな感じ (いやなかんじ) de 高見 順 (たかみじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 292 113 caractères · 587 écrans

Aozora Bunko

やっと、ま、おさまったけど」

と二階を指さした。その二階から、

「おい、なにしてんだ」

と砂馬がどなった。

「いま、行く」

俺は砂馬をすでに裏切っているようなやましさを覚えた。砂馬は俺より六つ年上である。

二階の小さな部屋は、ベッドだけが大きかった。部屋が小さいのでベッドが大きく見えただけで、それはシングルベッドである。壁にぴたりとくっつけてあるが、その壁紙には雨漏りのしみが、ツララのさがっている形を描いていた。剣のようにも見える。

ベッドの枕もとには、施療病室を思わせる小さなテーブルがすえてある。なまじっか、花のない花瓶が置いてあるのが、かえって佗しい。赤や緑のあさましい色ガラスをはめこんだ窓から、下のぞめきが聞えてくる。バラック建てだから、音のほかに隙間風も吹きこんでくる。

俺がこう言うと、さも俺は上等の部屋に住んでいたかのように見えるが、そういうわけじゃない。俺の下宿も、似たり寄ったりだ。下宿は、しかし、俺ひとりがただ寝るだけのところだ。

女と寝る部屋は、もうちょっと、なんとか、色気のある、なまめかしい――とまで行かなくても、もうすこし、まともであって、いいんじゃないか。