Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもかげ
おもかげ
山本 周五郎
Lisez おもかげ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 242 caractères · 21 écrans
「りっぱなからだに成長したな、十四五くらいにはみえるぞ、どれ立ってごらん」
父はそう云って、正之助をたのもしげな眼でごらんになった。正之助はうれしいなかにも、叔母さまはどんな風に父の言葉をお聞きなすったかと思い、「どうです、父はこんなに正之助をよろこんで下さいますよ――」と云いたい気持で、大きく胸をひろげるのだった。
よろこびはそれだけではなかった。正之助は父といっしょに江戸へゆくことになり、三十五日の忌があけると、母のお墓におわかれをして、生まれて初めての旅にのぼった。季節は晩春で、野山には色とりどりの花があり、うつりゆく遠山の青、ながれる雲の白など、眼につくものがみんなたのしかった。やまかいの道が幾日も続いた、指のきれそうな冷たい川を渡った。丹波のくにへ入ってから、雨に降りこめられて三日ほど宿ですごしたこともあった。京では名所を見せて頂き、大阪へも足をとめた。けれどそれらのものをぜんぶ集めても、遠江のくにで初めて富士のお山をあおぎ見たときの、大きな驚きにはくらべることはできなかった。正之助が江戸のお屋敷に着いたのは、五月のなかばのことであった。