Classiques japonais avec furigana
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おかあさんのひきがえる
お母さんのひきがえる
小川 未明
Lisez お母さんのひきがえる (おかあさんのひきがえる) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 1 299 caractères · 3 écrans
かえるというものは、みんなおとなしいものですけれど、この大きなひきがえるは、たくさんの小さなひきがえるのお母さんであっただけに、いちばんおとなしいのでありました。
町の裏は、坂になって、細い道がつづいていました。道の両側はやぶになっていましたので、そこに、かえるはすんでいたのであります。去年のちょうどいまごろにも、このお母さんのかえるは、坂の通りへ出て、小さな子供たちのぴょんぴょんおもしろそうに飛ぶのをながめていました。
往来を歩く人は、みんなこのかえるを見てゆきました。
「かわいらしいかえるだこと、踏まないようにしてゆきましょうね。」と、女の子たちはいって、避けて歩いてゆきました。
お母さんのかえるは、ほんとうに、人間というものはしんせつなものだと思いました。
やがて、今年もその時分になったのです。五月雨時分の坂道は、じめじめとして、やぶの草木は、青々としげりました。お母さんのかえるも去年のように、道の上へ出ていました。
ある日のこと、この大きなかえるは、人間の住んでいる家は、どんなような有り様だろうと思いました。
「ひとつ、今日は見物にいってみましょう。