Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おちょうふじん

お蝶夫人

三浦 環

Lisez お蝶夫人 (おちょうふじん) de 三浦 環 (みうらたまき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 730 caractères · 242 écrans

Aozora Bunko

翌二十日に村の人が大勢来られ、母にはカタビラにお祝の八十八の赤の袖無しを着させて、白木綿の手甲と脚絆、白い袋にいろいろの針、鋏、鏡など入れて首にかけた。私は自分の写真を母のお棺に入れたが、これは死んだ人が浮かばれないとて取り出された。

母の死の顔はつやつやと、まだほんのり赤いように見えて、眠られたそのままで美しい美しい顔であった。

翌二十一日に母の死体はお棺に入れられて、ほど近い寿徳寺に墓地を千円で買うて土葬した。ちょうど村の石わり様のお祭りで、村の子供達は赤や青の思い思いの衣服を着飾り、幾百人となく母のお棺に続いて来た。とても華やかなお葬式で、お寺で小銭を撒きちらし、子達も大人もみな母のように長寿幸運にあやかりたいとて、その金子を拾うた。お棺のまわりの巾は小さくさかれて、これもみなお守りにとて取合いをした。まるでお祭のようであった。きっと母は喜んだことであろう。この戦時に、先き頃東京では幾万の戦災者を出し、都の三分の一は灰と化したのに、もし母は東京であったら、このようなお葬式は得られなかった。ほんとに幸運であったと思う。

母の死顔は葬儀の日もなおつやつやとして、眼をかるくとじていた。