Classiques japonais avec furigana
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すみれとうぐいすのはなし
すみれとうぐいすの話
小川 未明
Lisez すみれとうぐいすの話 (すみれとうぐいすのはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 785 caractères · 8 écrans
小さなすみれは、山の蔭につつましやかに咲いていました。そして、いい香りを放っていました。
すみれは、そこでも、安心をしていることは、できなかったのです。なぜなら、そのすみれをたずねてくるものは、ひとり、美しいちょうや、かわいらしいみつばちばかりではなかったからです。
「ここにも、すみれが咲いていた。とって香りをかいでごらんなさい。いい香りがするから。」と、山に遊びにきた、子供たちはいったのです。
すみれは、自分ほど、不幸なものは、この世の中に、ないと思いました。小さな体で、しかも、ものの蔭に、つつましく咲いているのを、それすら安心ができなかったからです。
「ああ、わたしほど、不しあわせなものはない。」と、すみれは、ため息をしました。
そのとき、そばから、名もない草がいいました。
「すみれさん、あなたは、あんまり美しく生まれてこられたからです。そして、いい香りをもっていなさるからです。私のように、粗末に生まれてきたものは、ちょうや、はちなどというきれいなものに、振り向かれないかわり、まあ、無事といえばいえるのです。どちらがいいかわかったものでありません。