Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それから

それから

夏目 漱石

Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans

Aozora Bunko

代助はそれを見て、貧弱な工業が、生存の為に無理に吐く呼吸を見苦しいものと思った。そうしてその近くに住む平岡と、この烟突とを暗々の裏に連想せずにはいられなかった。こう云う場合には、同情の念より美醜の念が先に立つのが、代助の常であった。代助はこの瞬間に、三千代の事を殆んど忘れてしまった位、空に散る憐れな石炭の烟に刺激された。

平岡の玄関の沓脱には女の穿く重ね草履が脱ぎ棄ててあった。格子を開けると、奥の方から三千代が裾を鳴らして出て来た。その時上り口の二畳は殆んど暗かった。三千代はその暗い中に坐って挨拶をした。始めは誰が来たのか、よく分らなかったらしかったが、代助の声を聞くや否や、何方かと思ったら……と寧ろ低い声で云った。代助は判然見えない三千代の姿を、常よりは美しく眺めた。

平岡は不在であった。それを聞いた時、代助は話してい易い様な、又話してい悪い様な変な気がした。けれども三千代の方は常の通り落ち付いていた。洋燈も点けないで、暗い室を閉て切ったまま二人で坐っていた。三千代は下女も留守だと云った。自分も先刻其所まで用達に出て、今帰って夕食を済ましたばかりだと云った。