Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
それから
それから
Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans
「庭の所為だ。青葉が映るんだ」と庭の植込の方を見たが、「だから貴方だって、やっぱり蒼いですよ」と続けた。
「私、この二三日具合が好くないんですもの」
「道理でぽかんとしていると思った。どうかしたんですか。風邪ですか」
「何だか知らないけれど生欠ばかり出て」
梅子はこう答えて、すぐ新聞を膝から卸すと、手を鳴らして、小間使を呼んだ。代助は再び父の在、不在を確めた。梅子はその問をもう忘れていた。聞いてみると、玄関にあった車は、父の客の乗って来たものであった。代助は長く懸からなければ、客の帰るまで待とうと思った。嫂は判然しないから、風呂場へ行って、水で顔を拭いて来ると云って立った。下女が好い香のする葛の粽を、深い皿に入れて持って来た。代助は粽の尾をぶら下げて、頻りに嗅いでみた。
梅子が涼しい眼付になって風呂場から帰った時、代助は粽の一つを振子の様に振りながら、今度は、
「兄さんはどうしました」と聞いた。梅子はすぐこの陳腐な質問に答える義務がないかの如く、しばらく縁鼻に立って、庭を眺めていたが、
「二三日の雨で、苔の色がすっかり出た事」と平生に似合わぬ観察をして、故の席に返った。