Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

それから

それから

夏目 漱石

Lisez それから de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 794 caractères · 347 écrans

Aozora Bunko

平岡はその時顔の中心に一種の神経を寄せていた。風が吹いても、砂が飛んでも、強い刺激を受けそうな眉と眉の継目を、憚ず、ぴくつかせていた。そうして、口にする事が、内容の如何に関わらず、如何にも急しなく、かつ切なそうに、代助の耳に響いた。代助には、平岡の凡てが、あたかも肺の強くない人の、重苦しい葛湯の中を片息で泳いでいる様に取れた。

「あんなに、焦って」と、電車へ乗って飛んで行く平岡の姿を見送った代助は、口の内でつぶやいた。そうして旅宿に残されている細君の事を考えた。

代助はこの細君を捕まえて、かつて奥さんと云った事がない。何時でも三千代さん三千代さんと、結婚しない前の通りに、本名を呼んでいる。代助は平岡に分れてから又引き返して、旅宿へ行って、三千代さんに逢って話しをしようかと思った。けれども、何だか行けなかった。足を停めて思案しても、今の自分には、行くのが悪いと云う意味はちっとも見出せなかった。けれども、気が咎めて行かれなかった。勇気を出せば行かれると思った。ただ代助にはこれだけの勇気を出すのが苦痛であった。それで家へ帰った。その代り帰っても、落ち付かない様な、物足らない様な、妙な心持がした。