Classiques japonais avec furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lisez 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 470 caractères · 244 écrans
油揚げ百五十枚が、下谷御成道建具屋金八。一把七、八十房ずつついた唐辛子三把を食った神田小柳町の車力徳之助という閻魔のような怪漢もあった。四文ずつの鮨代金にして一朱を胃袋へ送ったのは、照降町煙管屋の村田屋彦八。
元大阪町の手習師匠今井良輔は生葱十把を食い、谷中水茶屋の榊屋伊兵衛は、醤油一升八合をのんだ。塩三合をなめたのが、清水家の家臣金山半三郎、生豆三合に水一升を平らげた馬のような男は両国の芸人松井源水。最後に、小梅小倉庵の若者勇吉というのは、黒砂糖四斤をなめた。
三
この正月のはじめ、上州館林正田醤油の多田常務から、鹿の肉が手に入ったから、すぐこいという飛電に接した。私は、用事一切を抛りだして館林へかけつけたのである。
多田常務の説明するところによると、この鹿は野州奥日光川治温泉から、さらに七里奥山へ分け入った湯西川の源流に聳える明神岳の中腹で知合の猟師が大晦日に撃ちとったのであるという。
その猟師から元日に電報があり、すぐ使者を山へ走らせて肉を三貫目ばかり運ばせたのであるが、二人で三貫目食えるだろうかと笑うのである。しかしそれは無理だ。
まず、葱と牛蒡と豆腐を加役とし、鹿肉の味噌汁を作った。