Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans
岡村が云った、「そうなにからなにまで、独りで思いつくものじゃありませんよ」
「気にするな」と隼人が云った、「ただの独り言だ」
岡村七郎兵衛は肩をゆりあげた。
隼人は選んだ七本の杉に、脇差の刃で印を付け、綱を二本杉の根元に置かせると、あたりを眺めまわしてから「帰ろう」と云った。木戸へ戻ったのは午後二時まえだったが、木戸のずっと手前で、その方向に煙のあがっているのが見えた。風はかなり弱くなっていて、青みを帯びた鼠色のその煙は、木戸のあたりから左へとなびいていた。
「あの煙はなんだ」と小野がまず云った、「まさか火事じゃないだろうね」
「まさかこの昼なかに」と松木が云った、「まさかね」
ほかの者は黙ってい、石岡源内が組下の者にいってみろと命じた。若い足軽の一人が駆け登ってゆき、みんなも足を早めた。
――あれだけの煙は火事でなければ出ないだろう。
火事だとすれば水と人手が足りない。水は木戸から五丁も下の、僅かな湧き水を運びあげて使う。大樽に五つは常備してあるが、火事が大きくなればまにあわない。おまけに足軽八人と番士三人を伴れ出したから、あとは小者まで加えても九人しかいない。