Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

額の狭いうしろにのめった頭には、赤茶けた髪の毛が密生してい、また頬へかけて、同じ色の髯が隙もなく伸びているあいだに、きみの悪いくらい赤く厚い唇と、大きな、黄色い歯の剥き出されるのが見えた。

「どんな罪があるか知らない」と隼人はなお静かに云った、「だが、かよわい女にそんなむごい仕置をしてはならぬ、おれはこんど来た木戸番頭で、朝田隼人という者だ」

男はまっすぐにこっちへ来た。隼人はべつに危険も感じず、そこに並んでいる男女のほうへ、さらに呼びかけようとしながら、大股に近よって来る男のまったく無表情な顔を見、岡村七郎兵衛の注意を思いだした。

――軽率なことはしないで下さい。

隼人は脇へ除けようとした。そこへ男がとびかかって来、些かの躊躇もなく、拳を振って隼人の顔を殴った。そんなことをされようとは予想もしなかったし、男の動作は驚くほど敏捷で、しかもちから強く、断乎としたものであった。左の頬骨を殴られたと思うと、右の頬を殴られ、隼人は眼の中で電光がはしるのを見た。立ち直る暇もなく、むろん躰をかわす暇もない。初めの拳で頭の芯が痺れ、よろめきながら、腹とうしろ頸に烈しい打撃を感じ、倒れたときに、後頭部が岩に当る鈍い音を聞いた。