Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans
隼人は丹念に記録を読み返した。
彼は流人村の歴史をよくのみこんでおきたかった。かれらに近づくには、かれらの伝統や慣習を知らなければならない。こちらの思案を押しつけるより、かれらを内部から動かすことが、この場合には特に大事であると思った。――まえにも記したように、記録からは得るものは少なかった。密通者を罰したこと。男は十七八になると「山ぬけ」をする者が多いこと。女はごく稀な例を除いて、大部分が部落から動かないこと。そのため男女の比率がしだいに接近し、若い年齢では、男より女の数のほうがはるかに多いこと、などがわかった程度であった。――その中で一つ、約六十年まえの出来事だが、隼人の注意をひく記録があった。正確には五十八年以前の冬のことで、そのとき百二十余人いた住民の、殆んど半数が死んだという、奇怪な記事であった。
――猛風雪のため、二十日あまり流人村の見廻りができなかった。
こういう書きだしで、見廻りにいってみると、五十四人が死んでおり、それがみな焦げた木の枝で躰腔を突き刺されているのを発見した。口、肛門、鼻腔。女は老若の別なく陰部に、それぞれの太さの焦げた枝が、深く突き刺してあった。