Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

――だが、老人の話は隼人をおどろかせた。老人は同じ家中の侍であり、四十年まえに藩籍をぬけて、この流人村の住民になった、ということであった。

「姓名は申上げられません、家は二百石ばかりの番頭格で、私はその三男でした」

二十二歳のとき、彼は木戸詰を命ぜられて来、流人村の事情をしらべた。そして、住民たちの悲惨なありさまに義憤を感じ、かれらを正しい生活にみちびこうと考えて、町奉行に訴状を送ったりした。――当時も木戸の番士と、部落の女たちとの関係は紊れていた。女が妊娠すると、部落のうちで堕胎してしまう。方法はわからないが、おそらく原始的なものだろう、そのために女が死ぬことさえ稀ではなかった。

「私は木戸の番頭に向って、規律をきびしくするように申入れ、また番士と女たちとの密会の邪魔をしました、番頭はとりあってくれず、いくら邪魔をしても、密会を防ぎきることはできませんでした」老人はそこで、もうさめてしまった茶を啜り、両手で湯呑を包むように持って続けた、「そうしているうちに、私自身があやまちを犯すことになったのです、――相手はこごさという、十六になる娘で、親はまさうちと申しました、それが姓であるか名であるかわかりません。