Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくしょうだに

ちくしょう谷

山本 周五郎

Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans

Aozora Bunko

隼人のまえの番頭だった生田伝九郎が墜死したのは、その「大崩れ」から一段ばかりいったところで、道がもっとも狭くなり、大きく右へ曲っていた。そこから先を七曲りというそうだが、初めて隼人を案内した松木久之助は、道の端にひとところ岩の欠けている場所を指さして、「そこです」と教えた。――隼人が見ると、道が断崖の上へ庇のように突き出ており、高さは六七十尺あるだろうか、下はごつごつした岩地で、その向うに御用林の一部が霞んで見えた。

「松木も供をしていたのか」

「私と小野大九郎、それに足軽三人がいっしょでした」と松木が答えた、「生田さんは先頭にいて、その角を曲ったと思うとすぐ、岩の崩れる音と生田さんの声が聞えたんです、凄いような声で、われわれはみな立竦んでしまいました」

「権八がやったという噂が出たそうだな」

「そんな噂がいまでもあります」

「しかしこんな狭いところでどうするというんだ」

「あの上から」と松木が眼をあげた、「あの崖の上から石を落すという手はあります」

隼人は用心ぶかく二歩進んで、振仰いだ。彼は片手をあげたが、上から小さな岩屑がばらばら落ちて来たので、それを除けるためにあげたとみえた瞬間、彼は「松木、危ないぞ」