Classiques japonais avec furigana
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans
御用林の仕事が終り、六月になった。
組み太刀の稽古は、当番仕事のある者をべつとして、午後にもやることになり、これは岡村七郎兵衛に任せた。隼人は楽器類を正内老人の住居へ持ってゆき、今後のことについて相談をかさねた。老人はまえから、村に耕地を作ることを考えていた。高冷地だから米は作れないが、土を運びこむことができれば、粟、もろこし、蕎麦、黍などは作れる、麦も作れるかもしれない。量はどちらでもよいが、「耕作」という習慣をつけさせたい、というのである。隼人はもちろん同意し、土を運ぶには木戸の者も助力しようと云った。
「ごらんになっているでしょうが」と老人は熱心に云った、「村の台地は石で組みあげてあります、地形は東東南に向いていますから、石が陽に暖められるとその熱が土にこもって、作物を育てるのに好都合だと思います」
現に自分は小麦と黍を一段ほど作っている。そこは陽当りもよし岩質が脆いので、入れ土をするのも楽であったが、台地の三段めと五段めは似たような地質だから、まずそこへ土入れをしてみてもよいだろう、と老人は云うのであった。
「問題は土ですね」
「それです」老人は頷いた、「私は四ツ沢から、――四ツ沢というのは、こちらから数えて三つめの桟道を、左へ登ったところで、肥えたいい土がありますが、俵にして背負って、さよう、百日