Classiques japonais avec furigana
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lisez ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 788 caractères · 138 écrans
それと同時に、村の男女のうち、足腰の丈夫な者を十人と、足軽五人を一と組にし、これを二た組作って、交代で四ツ沢から土運びをさせた。
隼人は六月の「月便」で、また小池帯刀へ手紙をやった。すると十日ほど経って、帯刀が自分で木戸まで登って来た。隣藩との交渉はうまくゆくだろう、同じ譜代大名であるし、こっちには幕府御用の杉林があることだから、と帯刀は云った。しかし、人の肩で運ぶくらいの土で、本当に耕地が出来るのか、という質問から、隼人は正内老人と相談したことを詳しく語った。帯刀には興味がないのか、聞くだけは黙って聞いていたが、隼人の話が終ると、顔をしかめながら首を振った。
「おれにはわからない」と帯刀は云った、「隼人の口ぶりは、まるでその事に一生を賭けているように聞えるぞ」
「そんな力んだことは考えていないよ」
「だろうな」帯刀は当然だというふうに云った、「こんな山の中の、六十人にも足りない人間たちのために、朝田隼人ともある者が一生を投げだすことはない、ひととおりやって気が済んだら山をおりるんだな」
「それを云うためにわざわざ来たのか」
「いや、用があって来たんだが、それはあとのことにしよう」