Classiques japonais avec furigana
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つばきのしたのすみれ
つばきの下のすみれ
小川 未明
Lisez つばきの下のすみれ (つばきのしたのすみれ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 377 caractères · 5 écrans
」といって、ほめないものはなかったのです。ちょうど、そのとき、すみれがやっと、小さなつぼみを破って紫色の花を開いたのです。
「ああ、なんという私は不幸なものだろう。だれも、私に目をとめてくれるものがない。またじきに、だれかにふまれてしまう運命であろう。」と、わなわなと、身を震わしていました。
すると、この家に、竹子さんというやさしい少女がありました。やはり、裏の庭に出て遊んでいましたが、ひとり、竹子さんだけは、星のようなすんだ、うるおいのある瞳を、つばきの木の下のすみれの上にとめました。
「ここに、すみれがあってよ。あたしは、すみれが大好きなの。こんなところにあっては、みんなに踏まれてしまうわ。」といって、はじめて竹子さんは、すみれに注意してくれました。
すみれは、どんなにうれしく思ったでしょう。心の中で、ほんとうにお嬢さんに見つけられなければ、また人に踏まれてしまうか鶏につつかれて、芽を出したかいもなく、見る影もなくなってしまうものだと思いました。
「あたしは、すみれを鉢に移してやりましょう。」と、竹子さんはいって、すみれをば地面から離して、素焼きの鉢の中に移しました。