Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lisez とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) de 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 729 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

雲の切れ目から陽光が洩れると、潮の林が鮮かに浮きあがる。どうやら仔鯨を連れて北へ帰る、抹香鯨の一群らしい。船は、快いリズムに乗って、静かに滑り続ける。

やがて一時間もすると、無電の効果が覿面に現れた。最初右舷の遥か前方に、黒い小さな船影がポツンと現れたかと思うと、見る見る大きく、捕鯨船となって、その鯨群を発見けてか、素晴らしい速力で潮の林へ船首を向けて行った。

「さア、あの船に感づかれないように、もっと、うんとスピードを落して下さい」

隼丸は、殆んど止まらんばかりに速度を落した。人々は固唾を呑んで双眼鏡を覗いた。捕鯨船は、見る見る鯨群に近付いて、早くも船首にパッと白煙を上げると、海の中から大きな抹香鯨の尻穂が、瞬間跳ね曲って、激しい飛沫を叩きあげた。――しかし、人々は、苦笑しながら双眼鏡を外した。その船は、釧路丸ではなかったのだ。

「どうも、仕方がないですな。しかし、違犯行為はありませんか?」

「まア見てやって下さい。間違いないようですよ」

やがて捕鯨船は、両の舷側に大きな獲物を浮袋のようにいくつも縛りつけて、悠々と引きあげて行った。

鯨群は、再び浮き上って進みはじめた。